今回はスカイライン用のS20エンジンです。
最近S20エンジンのオーバーホール組立の仕事が多いです。
クランクを見て下さい。WEIGHTの枚数がノーマルと違います。
ノーマルは4枚WEIGHTですが、このクランクはEIGHT WEIGHTです。(8枚カウンター)フルカウンタークランクでは無いですが、この形状もかなり調子いいんです。私はこの形状はお勧めです。
お客様~。ご安心して下さい。いいクランクシャフトが付いていましたよ。
MINI1300のヘッドチューンです。ROVER MINIです。ヘッド本体が鋳鉄材のヘッドなのでアルミに比べると硬いです。なので、ポートを削るのも大変です。それにノーマルの状態からレースに使える様な径まで広げるのも削り量が多いので大変です。
MINIのポートレイアウトはパワーが出にくいのです。
INTポートはひとつの入り口から二股に分かれ2気筒分となり、EXHは1番4番気筒は単独の常識的なポートですが、2番3番気筒のポートは出口はひとつとなり出てきます。ヘッドの中で2気筒が合流して出口ひとつです。
INTのレイアウトはまだいいと思いますが、EXHのポートレイアウトは何とかしたいですよね。
カムプロフィールのオーバーラップ時の効果がまるでオカシナ事になってしまいますから。変な燃焼状態になります。
でも、こんなエンジンだから色々とヤリガイが出て面白いです。
クランクバランスは難しい仕事のひとつです。バランス修正仕事が出来上がった姿を見ると何も変化が無いので大した仕事ではないと思われがちです。
しかし、様々な事を考えながら仕事をします。
ダミーウエイトを必要とするタイプのクランクの場合は、コンロッドやピストン等クランクに取付される部品の重量も考えなければなりません。往復運動の質量と回転運動の質量、もちろん偶力的なバランスの事、往復運動の慣性力など。更にバランサーの回転数も色々と変化させてチェックします。
材質や熱処理にもよりますが、ある一定の回転を超えるとクランクシャフトはメインの軸受けのクリアランスを超えた曲がりが出ますこうなると意味の無いバランス測定となります。
クランクバランスを行う方は必ずコンロッドとピストンの重量バランス修正も行って下さい。当然、往復運動部と回転運動部で合わせて下さい。
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